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2016年8月

2016年8月31日 (水)

インドの農村部における権利ベース・アプローチによる貧困対策  Right Based Approach in Rural India

Dsc_0356 生産性の向上や生計手段など経済的手段で貧困削減に取り組んでいるNGOや社会的企業は多いですが、シーガル財団(旧IRRAD)のアプローチはこれとは異なっていて、法的な側面を重視しています。貧困層の人権が守られているか、法律で保障された貧困層向けの福祉、その他の施策、事業が行政によって適切に遂行されているかについて住民が知識を情報を得て、自ら変革の力になって行くことを支援するというものです。今日、デリーの南約80キロのメワット・ヌー地域の活動拠点を訪問しました。ここでは、定期的に近隣地域から住民のリーダーとなれる人を集めて、法律や権利などの講習会を実施しています。リーダーがそれぞれの村に帰って、さらに住民に法律や権利の啓発活動を行っています。またここではFMのコミュニティーラジオ放送も行っています。一日13時間放送を行っており、上記の啓発活動に関する内容のほか、子どもの教育、地域の文化などについてのコンテンツを制作、放送しています。

Dsc_0358a シーガル財団のアプローチは「権利ベースアプローチ」と位置付けられるものですが、実はこれは日本にこそ必要とされるものです。日本国憲法ではその第25条で「健康で文化的な生活の権利」の規定がありますが、実際にはそれは権利ではなく、権力からの「恩恵」という意識が根強くあります。権利の主張は悪いことであるという意識が社会に蔓延しています。法定の労働時間も、年次有給休暇の権利も十分に保証されていません。ブラック企業やブラックバイト、サービス残業がはびこるのはこのためです。OECDからは生活保護申請や受給に係るスティグマ感を払拭せよと勧告されているにもかかわらず、一向に改善せず、それどころか、最近ではNHKの番組で貧困な高校生として紹介された子どもへのバッシングまで行われています。さらに悪いことには、自民党の改憲案は人権が「天賦」であることを既定する条項を削除するなど、「権利より義務」という押し出しが強くなっています。暗澹たる気持ちになります。

Dsc_0362 While many NGOs are making efforts to empower local people through economic measures such as enhancing productivity and diversifying sources income, the Sehgal Foundation (former IRRAD) focusing on legal aspect, in particular proper enforcement of laws and regulations relevant to rural poor people. Their "Governance Now" programme is aiming at protection of basic rights as well as appropriate and effective enforcement of various welfare benefits guaranteed by laws. Today we visited local training centre at a village in Mewat and Nuh district, Hariyana States, located about 80 km south of Delhi. The staffs of Sehgal Foundation are carrying out training programmes for villagers to enhance their awareness on rights and benefits, They are also operating small FM broadcasting station to provide people knowledge and information on their rights, improvement of agricultural production, local culture and other subjects instrumental to improving lives of local people.

2016年8月29日 (月)

ドリシュティー 社会的企業が支援する農村の生計向上 Livelihood improvement supported by a social enterprise, Drishtee しゃかい

14224783_1130109470368443_414300075 8月29日に、アグラの北約40キロのマトゥーラ地域の農村に行ってきました。ここでは、ドリシュティーという社会的企業が農村の所得向上を支援しています。ドリシュティーの基本的なアプローチは貧しい農村の人々が市場経済から恩恵を受けることができるようにするために、サプライチェインを構築したりトレイニングプログラムを実施したりすることです。サプライチェインの構築では、各地区ごとにトラックの巡回ルートを設けて、農村小売ポイント(Rural Retail Point)で農民が必要とする商品を置いて販売したり、農村の生産物を都市で販売する手助けをしています、また生計向上のために、家畜の飼育や蒔種から収穫までの生産管理向上、縫製やコンピューターの技術習得などのスキル獲得、向上のためのトレイニング・プログラムを行っています。


14100446_1130108430368547_854814255 持続可能な開発目標(SDGs)では2030年までの極端な貧困が目標とされています、しかし、国連の場で何を決めたとしても、それが目標として達成されるためには途上国の村々ので人々がどのようにして「自分の足で」立つことができるかにかかっています。空調が完備した国連などの会議場ではなく、泥とほこり、家畜の臭いが強烈な途上国の現場こそが、持続可能な開発の最前線です。ドリシュティーのきめ細かいアプローチはもっと注目されるべきであると思いました。




14079914_1130110547035002_677012741 On 29th August, we visited a village in Mathura region supported by Drishtee, a social enterprise. The Drishtee is empowering people by encouraging them to participate in market economy. They are operating supply chain network connecting rural and urban area. The Drishtee is supplying goods affordable to rural villagers as well as channeling farm products to urban markets. They are also training people to obtain skills for better livelihood, The programme includes enhancing agricultural productivity as well as sewing and computer training. The success of the "Sustainable Development Goals" depends not on multilateral talks in the UN and other international negotiations but efforts of people in villages in developing countries.

2016年8月28日 (日)

野外排泄問題に取り組むNGO、Sulabh International To address issues on open defecation

 

Sl1_28月27日に訪問したもう一つのNGOはSulabh(スラブ) Internationalです。途上国の多くで野外排泄がっ公衆衛生上の脅威になっていますが、インドでは特に深刻です。スラブはパテル博士によって1970年に創設され、野外排泄と手作業による汚物処理の除去を目的としています。これまでに、学校や企業、コミュニティーと共同で8500以上の公衆トイレを建設、運営しています。公衆トイレのは悦物からメタンガスを発生させエネルギーとして利用するシステムを開発しています。主に農村部向けには、二つのピットを持たた自然処理式のトイレを開発し普及に取り組んでいます。これは二つのピットを3年ほどの期間で交互に使用することにより、排泄物を堆肥化して活用する者です。

Sl2 スラブは学校と職業訓練校を運営していますが、これがて低カーストでもある、汚物処理作業に従事していた人々の生活と地位の向上を目指しています。裁縫、速記、コンピューター、美容などの生計手段獲得のための教室を訪問sることができました。本部に併設されている「トイレ博物館」はたいへん情報量が多く、インダス文明のころから人間がどにように排泄問題に取り組んできたか、よう勉強になりました。





Sl3 The second NGO we visited was the Sulabh International. Open defecation is very serious social problem in India, as well as in many of developing countries. The Sulabh International, a Social Service organization, is tackling this challenges by constructing and operating more than 8,500 toilet with cooperation of schools, firms and communities. It was founded by Dr, patel in 1970. Their missions are to eliminate open defecation and and manual scavenging labour. The are also developing and proliferating "Two Pit Toilet System" as an alternative to costly and water consuming large scale sewerage system.

Sl4 They are also trying to empower people from manual scavenging background by through education and vocational training. The toilet museum attached their headquarters is very unique and informative, 

2016年8月27日 (土)

衣服のリサイクルから人々の尊厳回復へ  Goonj puts emphasis on people's dignity through recycling cloths and utensils

8月27日Dsc_0126 はデリーに拠点を置く2つのNGOを訪問しました。最初に訪問したのはGoonjです。ここを訪問するのは既に3回目ですが、学生にはぜひ見てもらいたいNGOです、Goonjは都市の富裕層や中間層から発生する大量の衣類や家庭用品の廃棄物を主に農村の貧困層への支援に活用する活動を行っています。中心となっているのは"Cloth for Work"というプログラムで、農村の道路や水路などの建設作業参加への対価として衣服、その他を提供する者です。無料配布としないのは人々の尊厳を傷つけないようにするためです。布の破片を利用して生理用品を作り、安く提供しながら衛生への社会的関心を高める活動もしています。これは社会的なタブーへの挑戦でもあり、女性の状況改善のために社会を変えることがゴールになっています。昨日は、普段はお忙しい創設者のアンシュ・グプタさんにもお会いすることができました、インドのNGOや社会企業の関係者の間では知らない人がいないくらい有名だそうです。
Dsc_0139 We visited two NGOs located in Delhi on 29th  August. The first NGO we visited was Goonj. The Goonj is supporting people in difficulty through "Cloth for Work" programme. They are channeling cloths and other items such as utensils, toy and books which are disposed by relatively affluent city dwellers to poor people mostly in rural areas. They are fully taking care that dignity of people must not be harmed. They are not making these items free of charge.They are also addressing sanitary issue of women by sensitizing whole community as well as providing clean sanitary napkins made fro wasted cloths. We have learnt a lot form them. We are very happy to have chance to meet with Mr. Gupta, the founder of the Goonj.

2016年8月26日 (金)

デリーの世界遺産めぐり(学術解説つき) A world heritage tour with academic guidance

Qtb1 毎年恒例のインド・スタディーツアーですが、初日の25日は祝日にあたってしまったので、世界遺産めぐりから始めました。昨日は私の同僚でイスラム王朝時代のインドの歴史専門家の宮原教授の案内で、クトゥブミナール、トゥグラカバード城跡、フマユン廟、プラナキラを巡りました







Dsc_0086 Since the first day of our study tour in India was a holiday, we started by "Heritage Tour". We visited Qutb Minar, Tughlakabad Fort, Humayun Tomb and Purana Quila with academic guidance by my colleague Professor Miyahara, who is a specialist of the Indian history during the period of Islamic dynasties.

2016年8月14日 (日)

災害復興と学生ボランティア  Students's volunteer activities are still continuing at Ishinomaki

Fukuchi 震災以来、文教大学の「文教ボランティズ」の学生たちが石巻市福地のみなさんとつながりを築いて来ました。この地域は大きな犠牲を出した大川小学校の学区です。今日は福地の夏祭り、ボランティアの学生たちもお祭りの運営に携わっています。年齢の近い子供のたちに特に喜ばれているようです。学生の活躍に拍手!


Since the earthquake and tsunami in 2011, students of the Bunkyo University have been supporting people and community of Fukuchi village, Ishinomaki City. The annual village festival is taking place today. The students are actively playing their roles.

災害とコミュニティーの再建 Reconstruction of a community after the disaster

Maehama1 気仙沼市本吉町前浜のコミセン「前浜マリンセンター」です。毎年6月の植栽活動でお世話になっている千葉様ご夫妻に案内していただきました。前浜および周辺の集落は津波で大きな被害を受け、前浜にあった集会所も流されてしまいました。被災後、前浜では集会所の再建について話し合われ、NGOや企業、団体、個人などからの多くの支援を受けながらその再建が進められました。「東日本大震災ルーテル教会救援”となりびと”」その他の外部からの支援は資金面、コーディネーション、資材、備品等などでしたが、構想、設計、建設プロセスなと多くの過程に地元住民の皆さんのが関わる参加型の手法によって行われました。現在この公民館の稼働率は高く、コミュニティー活動の中心になっています。

Maehama2 国連の"持続可能な開発目標(SDGs)"には、"Resilience(回復力)"という言葉が何回も出てきます。この”Resilience"の意味は当事者の問題発見、解決の力の強さのことで、外部からの支援の役割はそれがやりやすい環境を整えることだと思います。集まることができる場という「インフラ」を支援できたことがよかったです。私ももしかしたら微力ですがお役に立てたかもしれません。というのは、"となりびと"に参加していた時にいくつかの書類の翻訳作業を手伝いましたが、その中にこの前浜の「コミュニティー・センター」のプロジェクト提案書があったと記憶しています。以前のODAの仕事で英文のプロジェクト書類作りには慣れていました。もしお役にたっていたら大変うれしいです。

Maehama3 The coastal area of whole Kesen-numa City including fishing village of Maehama was devastated by the Tsunami on 11th March 2011. A community center building for people of Maehama and surrounding villages was washed away. After the disaster, villagers discussed and examined ways to rebuild the community center. The reconstruction works were implemented in a participatory method. The villagers proactively joined the process of reconstruction in terms of designing, planning and building the center, while both domestic and international NGOs supported in financing and coordinating the activities, and supporting the procurement of material and equipment. The centre is now very frequently used by the villagers.

Maehama4 The word "resilience" appears many times in UN's "Sustainable Development Goals (SDGs)". It means a strength and a power of people to identify issues as well as challenges and take action against them by themselves. While local ownership is crucial, supporters outside of the villages can contribute to make enabling environment including making of infrastructures. I participated in this support a bit by translating the project documents necessary for application of financial support, as a member of the Japan Lutheran Church Disaster Support Team.

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