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2016年7月

2016年7月30日 (土)

「ひび割れ壺と少年」のメッセージ The Cracked Pot

13686676_1104938969552160_681611502 昨日で春セメスターが終わりました。今期から新しい科目「英語文献研究」の担当が加わりました。最終回は私から文献を提供しましたが、論文ではなく絵本です。盟友の松本純さんが訳した「ひび割れ壺と少年」の、ただし素敵な訳文ではなく原文を使いました(松本さんすいません)。少年が主人の家まで二つの壺を天秤のように担いで水運びをしている。片方の壺はひび割れが入っていて、到着するまでに水が半分漏れてしまう。ひび割れた壺は自分の欠陥を恥じ少年に謝るのだが、実はご主人が水漏れのルートに沿って種をまいていて、水が漏れているおかげで花が育って咲いていたのだ・・・・という内容です。「すべてのものには存在意義がある」「誰の人生にも意味がある」というメッセージです。すこしは学生のエンパワメントになったでしょうか?。
この科目は英語文献を読んでディスカッションするのが目的です。最初は私が指定した文献を読みましたが、すぐに学生が選ぶ方法に変更しました。学生が選んできた文献は「人間の幸福」に関するものが多かったですが、政治学、社会学、経済学(最新の行動経済学も含む)が関連していました。若い人の関心が「成長や発展」から「持続性」にシフトしてきていることがよくわかりました。


The 2016 spring semester ended yesterday. I started for the semester a new class "to read academic articles in English" , mainly for sophomore students. We discussed articles, on human happiness upon requests from students, from various angles such as politics, sociology, economics including latest "behavioral studies" At the end of the class, I asked students to discuss on messages from the children's book "The Cracked Pot". A boy was bringing two water pots to his masters's house every day. One pot was perfect and another cracked. The cracked pot lost water by half before arriving there. While the cracked pot was ashamed of his imperfectness, the master planted seeds under the path of water leakage to make flowers grow and bloom. Although the book is by no means academic article, it gives us profound message that there is no one born for nothing.

2016年7月26日 (火)

コピペというモンスター My fight against plagiarism

13681061_1102409556471768_422362394 今年もポケモン「コピペッタ」ゲットしてしまいました。今、期末で各科目合わせ200枚以上のレポートの採点に取り組んでいます。一生懸命書いていて様々な重要なメッセージが含まれているレポートが大多数ですが、毎年何人かコピペがいます。剽窃行為にはゼロ・トレランスで対応していますが、結局のところ、コピペを防止するためには、学生との間の信頼関係を強化するしかないと思います。提出されたレポートにきちんとコメントを返すことは大切だと思います。

A monster is haunting universities - the monster of plagiarism. I am tackling with more than 200 term papers as semester ends. Every semester, I encounter the monster. The only way to exorcise this monster is to have better communications with students.

2016年7月22日 (金)

JICA海外移住資料館 The museum of Japanese migration

13775819_1099764873402903_562654645 昨日の3年生と4年生のゼミはJICA横浜で実施しました。最初は海外移住資料館で日本の移民の歴史を学びました。日本の南米移民が現地の人々の生計手段と競合しないように、さまざまな新しい作物やビジネスに乗り出していった歴史は、現在のグローバルな移民問題へ与える示唆が大きいです。その後はJICA方々に最近の取り組み、特に市民連携と中小企業の海外進出支援について講義をしていただきディスカッションを行いました。学生の中にも将来は海外への展開を行っていくような仕事に就きたいという希望があり、大変有益なものになりました。JICAの皆様に感謝いたします。終了後はJICA横浜の3Fにあるエスニックレストランで、横浜港を見ながら春セメスターの打ち上げを行いました。

13775832_1099764870069570_840107792 Yesterday, we had our seminar class at the JICA Yokohama International Center. We first visited the Japan Overseas Migration Museum, to learn a history of Japanese migration to north and south America. Then, we had lectures by JICA followed by discussions on JICA's recent activities, focusing on collaboration with citizens and small scale industries.

2016年7月 6日 (水)

丸山眞男とリベラリズム On Japan's post-war liberalism

13612290_1091647374214653_854146656 私の高校時代の同級生から、当時の現代国語担当の先生が最近83歳で亡くなられた知らせを受けました。最近はお話ししたことがなかったですが、高校生の頃、よく議論をしていただきました。丸山眞男の『「である」ことと「する」こと』についても議論をしたことを覚えています。これは丸山が1958年に発表したもので、現在、岩波新書の「日本の思想」に収められていますが、当時は現代国語の教科書に掲載されていました。リベラルな時代でした。民主主義の価値は、人間の属性(「である」)ではなく判断や行動の内容(「する」こと)にあるというのが 主要なテーマです。今日、読み返してみましたが、「国民が主権者になったといっても、主権者であることに安住してその権利の行使を怠っていると、主権者でなくなるというような事態が起こる」というメッセージが冒頭に書かれています。これはまさに現在の状況です。ほぼ60年前に書かれたエッセイですが、「する」ことではなく、地位、所属組織、男女などの「である」ことにとらわれて考えているという日本の社会の弱点が現在でも解決していないことに戦慄します。私の恩師もメッセージを伝えたかったのだと思います。そして、今、私も教える立場で、若い世代にメッセージをつないでいかなければならないです。


When I was a high school student more than 45 years ago、I vigorously discussed with a teacher, who passed away recently at the age of 63, on democracy in Japan. I have learnt from discussion with him that unless we make democracy to democratize itself all the time. it would be lost.

2016年7月 4日 (月)

フランスの連帯経済 Economy based on solidarity in France

13495302_1089008354478555_916001050 フランスに来ると、八百屋さん、パン屋さんその他各種の小規模商店が繁盛しているのが驚きです。日本では郊外はいうに及ばず、地方の中核都市でも、大スーパーに客を奪われ、中心部の商店街は「シャッター通り」と化し、空洞化が進んでいます。この話をフランスのエコノミストにしたら、明確な答えが返ってきました。「”競争”の反対語は何だと思いますか。アメリカではそれは”独占”です。しかし、フランスおよび多くのヨーロッパの国ではそれは”連帯”です。小さな商店は地元の生産者の質の高い商品を扱い、消費者もそれを求めています。これが「連帯経済」なのです。


13510931_1089008431145214_169865909 日本では以前は大店法などの規制がありましたが、有効に機能せず、中心市街地の衰退を招いていますが、それはまだ、連帯経済のような考え方が根付いていないためだと思います。資本主義と市場経済の限界が明らかになってきている現在、代替として連帯経済が議論されるようになってきています。連帯経済と市場経済は対立するものでなく、補完しあうものだと思います。日本も社会の土台は米国ではなくヨーロッパに近いです。先日、授業の中で一回「連帯経済」に触れましたが、これからもう少しこれを深めて行きたいです。いずれにして、考えるだけではなく、行動することが求められていると思います。
13606761_1089008551145202_405081359 I asked a French economist why many small retailers are still flourishing and haven't been replaced by big supermarkets in France. He answered to me. How do you think the opposite word of "competition"? In US, it is "monopoly". In France, and many of European countries. it is "solidarity". The small shops are supported by producers and consumers. They are selling local-based high quality products. It is indeed "a solidarity economy". He also regretted that Brexit may imply that UK will leave a camp of European solidarity economy and align with US-type market economy.
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