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2015年12月

2015年12月 3日 (木)

アルメニアのジュノサイド   Genocide of Armenians

12341496_966876223358436_85879034_2エレバンの「ジュノサイド記念館」。ここだけは来なければならない場所です。日本ではトルコによるアルメニア人の虐殺(ジュノサイド)はほとんど知られていません。また、米国、EU加盟国その他多くの国々が虐殺の事実を承認するなかで、日本政府は沈黙を守っています。小アジアに居住してたアルメニア人に対するトルコによる迫害は19世紀後半から激化しましたが、ジュノサイドと呼ばれる事件は1915年に起こりました。4月24日が記念日とされ、今年100年のセレモニーが持たれました。日本からはハイレベルの出席はなかったそうです。

12347949_966876303358428_3683636522青年トルコ党というと、日本の明治維新に触発されて近代化を目指した若い指導者たち、と日本の歴史教科書では教えられますが、実は1915年のジュノサイドの担い手とされるのはこのグループです。彼らは近代的トルコ国家建設の中でアルメニア人にのみならず異民族を排除する方向に走りました。アルメニア人は強制移住、追放、そして殺害などにより150万人から200万人が犠牲になったとアルメニアは主張しています。これに対してトルコは、多くの人々が犠牲になった事実は認め、2014年4月にはエルドアン大統領が哀悼の意を述べています。問題は犠牲者数とそれが計画的、組織的であったかどうかで、トルコ政府は計画性、組織性を認めていません。これは南京事件をめぐる中国と日本の主張の対立に似ています。

12294642_966876406691751_8288426459このジュノサイドはアルメニア人の民族的覚醒を促し、ナショナリズムの原点になりました。アルメニアの首都のエレバンからはアララト山が眺められます。アララト山がある西アルメニアはアルメニア人の故地とされてますが、今はトルコ領です。東京から見える富士山が国境の向こう側だったら。国境以西に住んでいた日本人は一人残らず追放させられ、多くは国外移住を強いられていたら、と考えるとアルメニア人の無念がよくわかります。フランスや米国に逃れたアルメニア人離散者(ディアスポラ)は国際的な世論に訴えていきます。

アルメニアで見聞きしたことから心情的にはアルメニア人に同情してしまいましたが、これは悪人が善人を虐殺したという単純な話ではないことはあきらかです。ソ連時代は、ソ連政府はアルメニアのナショナリズムを抑える政策を取ってきましたが、これは抑えられなくなり、ソ連崩壊後、アルメニア人がアララト山と並んで故地と考えるナゴルノ・カラバフを巡ってアルメニアとアゼルバイジャンの戦争が始まります。アゼルバイジャン人はトルコ系です。双方に多くの犠牲者が出ましたが、規模こそ小さいものの国際人権団体が「虐殺」ではないかとする事態がアルメニア側によっても行われていました。問題は歴史的経験が核になっているナショナリズムは歴史問題では関係国は妥協できないということです。日本と韓国、中国の歴史問題を見ても明らかです。ではどうすればいいのでしょうか?

12246979_966879560024769_22598814_2多民族に与えた大きな危害はその後何百年も何千年も言われ続けるかもしれない。これは重要なジュノサイドの抑止力になります。もちろん完全な抑止力ではありません。シリア・イラクではダーイッシュ(IS)による異宗派、異教徒の虐殺が続けれらています。他者の破壊を目的とする集団には何を言っても無効でしょう。そかし、これは異例なケースと思いたいです。

日本は広島や長崎に加えられた「核兵器による虐殺」を民族的憎悪に転嫁することなく、核兵器廃絶へ向けた普遍的な主張に展開させていきました。これは一つの方向性です。日本が中国や韓国と歴史問題で折り合うことが難しいのであれば、せめて「普遍的な人権」の立場から日本の近現代史を自己点検しき反省すべき点は編成すべきこと、現在、日本や世界が抱える問題にもその立場で政策を形成、実施し、かつ主張していくことが重要だと思います。「積極的平和主義」「普遍的人権」というキーワードに本当に実態が伴っているのか、ここが日本が世界からどう評価されるかの鍵になると思います。

写真
(1)ジュノサイド慰霊塔
(2)訪問した学校に掲示されていた「ジュノサイド」のパネル
(3)ジュノサイド記念館で購入した資料
(4)街角のあちこちにある「1915年を忘れるな」

2015 is marked as a centenary of the Armenian Genocide. I felt it obligatory for me to visit the "Genocide Museum" in Yerevan. Messages from various displays are very scary and sad. Japan has not yet endorsed the claim by Armenia that more than 1.5 million Armenians were systematically killed by acts of the Turkish government,taking into account, I suppose, a bilateral relationship between japan and Turkey. The historical experience of genocide is a core of the Armenian nationalism". What I have learnt from my visit is that it very difficult for nations to come in terms with if they share same historical experience with different interpretation. Only way out for peace building may be to work together to solve current problems sharing universal value such as human rights. 

2015年12月 2日 (水)

アルメニアの一村一品 One Village One Product Project in Armenia

12308507_965984236780968_5498489727日本のアルメニアに対する協力の一つが「一村一品」事業支援です。これは拡大しつつある都市・地方の格差是正のために地域経済の発展を図ろうとするものです。ドライフルーツなどの地元特産品の商品開発や民宿(B&B)の経営指導などが行われています。関係者に聞くと、アルメニアでも地方の「衰退」の問題があるとのことです。日本と同じように山国で自然災害が多く、中山間地では人口流出で「限界集落」から廃村になるところも出てきているとの説明がありました。

12348023_965984266780965_76193817722014年の世銀データでは世界で人口増加率がマイナスになっている国地域は日本を含め25あり、そのうち旧ソ連構成国が5か国、旧東欧社会主義圏が9か国を占めます。アルメニアはマイナスにはなっていませんが。0.46%と極めて低い水準です。早晩、日本と同じような状況になると思います。日本が高齢者も含め活躍できる社会を確立し人口縮小プロセスを乗り切ることができれば、新しいモデルを世界に示すことができると思います。写真はGhari村での観光開発事業の一環としての民宿(B&B)です。

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One of projects Japan is assisting in Armenia is “One Village One Product”. It is to enhance rural income by developing industries based on local resources. Development of tourism is also focused. In rural village of Gharni we visited, B&B (Bed and Breakfast) business is being supported. In rural Armenia, decreasing population in rural mountainous area poses same challenges Japan now faces. If Japan successfully overcome challenges of aging, decrea
sing population and declining local economy, it will be a model for those countries with same challenges, especially in East Europe and former USSR region. 
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