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2013年4月18日 (木)

授業ダイジェスト「地域研究アフリカ」(1) 地図にミスリードされるアフリカ観・身近なアフリカ

2013年の春セメスターが始まりました。今年からこのブログでは講義内容のダイジェストや関連した話題をとりあげていきたいと思います。まず、今週の地域研究「アフリカ」からです。

【地図にミスリードされるアフリカ観】

今年1月にアルジェリアでプラント襲撃事件があってから、「アフリカは危ない」というイメージがもたれているようです。しかしアフリカは広大な土地です。今年3月に私はタンザニアに行きましたが、その時にも言われました。タンザニアはアルジェリアから5000キロ程離れています。東京からバングラデシュやインド東部までに匹敵する距離です。インドのアッサム州の治安が悪いからと言って「東京も同じアジアだから治安が悪い」という人はいないでしょう。

Dsc_0008授業ではOHPシートに地球儀でトレースしたアフリカとユーラシア大陸を重ねて見ました。南北アフリカの距離は日本と東欧の距離に相当します。アフリカの大きさは、ユーラシア大陸のアジア部分と比べてみてもその大きさがわかります。

Dsc_0004アフリカの広さや多様性が無視されて、ひとかたまりで(カテゴリカリーに)アフリカととらえられてしまう理由の一つが地図にあります。日常的に使われている「メルカトル図法」は高緯度の地域が大きく表示されてしまう欠点があります。面積を正しく表示した正積図法と比べてみるとその違いがわかります。アフリカ大陸(ピンクの部分)と北米大陸(ブルーの部分)を比較してみると、図法による相対的な大きさの違いがよくわかります。授業でアフリカ大陸と北米大陸がどちらが大きいですかという問いを出したところ、かなりの受講生が「北米」と答えました。実際には、アフリカ大陸の面積は3030万平方キロであるのに対し、北米大陸のそれは2450万平方キロ(グリーンランドを含む)であり、アフリカの方が1,2倍大きいのです。このように、この授業ではアフリカに関するさまざまな先入観やステレオタイプを打破して、正確で現実に即したアフリカ像に迫りたいと思います。

【遠くて近いアフリカ】

Qrアフリカは日本から遠い地域です。直線距離で見ても、日本から一番近いケニアなどのアフリカ東部でも、米国東海岸よりは遠いです。しかも直行便がなく、ヨーロッパ経由、中東経由、これに加えてシンガポールなどのアジア諸都市からインド洋を横切っていくルートがなどがありますが、いずれも乗り換えが必要です。最近では中東のドーハやドバイを経由するルートが便利になってきています。しかし、アフリカと日本は日常レベルではきわめて近い部分があります。

Imgp2745アフリカと日本の近さを感じる一つの例は、特に日本と同じ左側通行の東アフリカで顕著な日本車の氾濫です。ほとんどは中古車ですが、道路はほとんど日本車で埋め尽くされ、しかも日本時代の店、学校の名前や電話番号までそのままで走っている車もあります。堅牢で燃費も良い日本車は人気があります。一方で、日本でも多くのアフリカ産品が出回っています。たとえばエビやタコなどの沿岸の水産物。大西洋やインド洋での遠洋の日本漁船は南アフリカなどを基地にしています。レアアースやレアメタルなどの資源はいうに及びません。日本とアフリカの気候も連動しています。東アフリカの旱魃や洪水は日本の暖冬、冷夏などとつながっています。これはエルニーニョやラニーニャなどの現象が地球規模で影響を及ぼしているためです。

この授業の目的はアフリカと日本が実は地球レベルで共通の課題に直面していることへの理解です。

(写真1) OHPシートでアフリカとアジアを重ねる

(写真2) メルカトル図法と正積図法で比べたアフリカ・北米の相対的大きさの

(写真3) 成田空港からドーハまでカタール航空で11時間、アフリカへはさらにそこから乗り換えます。

(写真4) タンザニアの最大都市、ダルエスサラームで活躍する元「神奈川中央交通」のバス

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