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2013年3月15日 (金)

インドのNGO"Goonj" 人間の尊厳を目指したパラレルエコノミーの試み(1) 「ノンイシュー」

2012年のGDN世界開発賞のインドのNGO/社会企業家、グーンジ”Goonj”のアンシュ・グプタ(Anshu Gupta)氏をお迎えしての研究会を、JICA研究所(新地球ひろば)で39日に開催しました。グプタ氏は310日、11日に開催された東日本大震災関連のシンポジウムに出席するため来日し、9日にJICAの立ち寄る機会をつくっていただいたものです。

以下、グプタ氏のプレゼンテーションおよび質疑応答の概要をご報告します。

(1)まず、「気が付かれていない問題」(ノンイシュー)がいかに重要か話したい。ニューデリーの新空港には最先端のトイレがありどのように使っていいかもわからないほどである。一方では鉄道駅には満足なトイレも給水施設もないことが多い。これはインドのように急速に発展している国の抱える問題である。その中で問題として気が付かれていないノンイシューがある。その一つが衣服である。

Gedc1547(2)衣服は衣食住の生活三要素の一つであるが議論されることが少ない。また衣服に関してはさまざまな誤解がある。災害時の緊急支援に衣服が提供されることが多いが、衣服は一着目だけが不可欠であって、二着目は負担になる。それは、災害によって家が失われ保管場所がないからである。また、衣服の支援を受け取った場合、分類。整理に多くの人手が必要であり、他のやるべき仕事を圧迫してしまう。衣服に関しては地震や津波などの大災害以上に不適切な衣服で犠牲者が出ている悲劇がある。それはインドの冬の寒さである。インドの都市と農村では所得も健康状態も嗜好も体格も異なる。所得格差があるため農村あるいは近隣国の人がデリーなどの都市出てくるが、生活は厳しい。特にデリーは気候が厳しく夏は45度以上になる一方で冬は2度まで下がり、暖房施設もない。このため多くの人が行き倒れて凍死する。行き倒れた遺体を収容してリキシャ(オート三輪)で火葬場に運ぶビジネスがある。一回20ルピー。寒さが特に厳しかった1994-95の冬は毎晩10人ー12人が収容されていた。夏でも一人4-5はいる。このリキシャ業の家族とあるとき一週間一緒に過ごしたが、この人たちも満足な衣服がない。リキシャ業の子供は寒いときには遺体の間で寝ることもあると言っていた。このような深刻な状況になるのに深刻な社会問題とも認識されていない。まさにこれがノンイシューである。

(3)もう一つのノンイシューが女性の生理用品である。女性は誰でも一定年齢になれば生理用品が必要となる。インドでは多くの人が不要になった布きれから自分で作った不完全なナプキンを不十分な洗浄で使用し、生理のサイクルが異なる家族で共用したり、砂、灰、新聞紙、プラスチックバッグなどを代用品として使用したりするケースも多いが、不衛生のために命を落とす女性もいる。しかし社会的タブー等もありだれも語ろうとしない。7-8年前にグーグルで検索した時にはインドだけではなく世界中で探してもこの問題を議論している情報はなかった。

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