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2011年6月25日 (土)

東日本大震災(7):100日を経て

Simgp39556月17日から20日まで、「ルーテル教会支援・となりびと」の一員として3回目のボランティア活動に行って来ました。今回は、東松島市にあるNPO法人が運営する社会福祉施設で2日間、施設再開に向けたお手伝いを、また石巻の築山地区で民家の泥出しをしました。

東松島市の社会福祉施設は仙石線東名駅から徒歩2~3分の場所にあり、震災前はデイケアおよびグループホームを運営していましたが、津波が襲来し、通所していたお年寄りの何人かが亡くなりました。今、デイケアの再開に向けて様々な準備が行われています。ここに花の苗約200本をお届しました。私が自宅で5月に種をまいて育てたものですが、被災された方々に少しでも癒しになればとお持ちしたした次第です。丈夫に育って花を咲かせてくれることを願っています。

 

Sdsc_0098て、18日はちょうど震災から100日目にあたっており、各所で慰霊祭が行われました。私たちがお手伝いをした福祉施設でも100か日の法要が営まれました。周囲の家屋はまだ手つかずになっているところが多いですが、この福祉施設の再開が呼び水となって住民の方が戻って来られることが期待されます。ただ、仙石線の復旧の見通しはついていません。仙石線の東名駅、および東隣の野蒜(のびる)駅は同線沿線でも最も被害を受けた個所で、津波の直後には瓦礫に埋まった駅や脱線した電車などの写真がニュースで報じられていました。Dsc_0105

現在、 駅や線路上の瓦礫はかなり片付けられていますが、再開に向けた作業は着手されていません。この一つの理由が、地域全体で高台に移転するという計画があり、それに伴って鉄道路線もルートを変更する可能性があるためです。

Dsc_0088_2東名駅の南側には「東名運河」があります。その南の海側は大きく地盤沈下し、地図上では陸地のはずの広大な土地が海面に没しています。波打ち際になってしまった家も数多くあります。運河と駅から約1キロほど海岸に向かって道路と集落が続いてい ますが、復旧作業が行われている家屋はほとんどなく、流された車や家具が放置され3月11日の当日のまま時間が止まっています。また、各所で冠水してままになっています。地域の復興をどのように進めるか、地盤沈下対策をどうするか等に行政が早く方針を示さない限り、住民としてはどうしたらよいかわからないでしょう。

石巻の泥出し作業はこれまでもかなり行ってきましたが、今回の地区はこれまでよりも海に近く、家屋の被害が大きなところでした。再建を断念する家も多く、被災当日のままになっている場所が目立ちます。再び住むことを目指して、整備を進めている家もありますが
、隣家や地域が廃墟のままでは住むのは難しいと話していました。

Sdsc_0053 石巻の中心市街地にも足を運びましたが、復興の難しさを実感しました。中心部は地盤沈下が激しく、満潮時には道路が水面よりも低くなってしまいます。多くの建物流されずに残りましたがが、住民の方々は避難されているためか、人通りはほとんどありません。商店街も開いている店は稀で、ほとんどが休業中でした。地盤沈下に対処するための地域全体の防災が確立しない限り、昔のにぎわいを取り戻すことは困難でしょう。 

東松島市にしても石巻市にしても、地域全体の復興を図るためには膨大な資金と技術の投入が必要で、一地方自治体の能力を超えています。100日に経て、まだ明確な方針どころか、方向性も見えてこないのは、中央レベルでの政治の停滞にその責任があることは明らかだと思います。復興基本法も成立した現在、対応のスピードアップが強く望まれます。

<写真>
(1)花を植える
(2)JR仙石線野蒜駅
(3)野蒜駅の時計(3時55分で止まっています)
(4)東名駅南側の集落(ほとんど手がつけられていません)
(5)石巻市の中心部(水面の方が道路より高く、どんどん浸水しています)

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コメント

先生、いつもブログを興味深く読ませて頂いています。

よく、多くの人が集まる場所、1人1人の協力が必要とされる場合においては方針や理念、そして目的を決めることが大切だと聞きます。

今回の震災についても、まさにそのような状況に当てはまると私は感じました。

住民たちがどんなに努力をしても、それぞれが頑張るだけでは、求めるものに少しずつずれが生じてしまい、1番良い結果に繋がるまでに時間がかかってしまったり、あるいはそこまで辿りつきにくくなってしまうと思うんです。

また、方向性が見えない以上はそれにも限界があります。

やはり震災復興のための方針、地盤沈下を防ぐための方針を行政は早急に決め、それを進めていかなければならないと思います。

これは、今の現状を見つめれば誰の目にも明らかなはずです。

時間がかかってしまうというのなら、せめて方向性だけでもいいですから、いち早く光が見えてくるように願うばかりです。

最近では、芸能人のみなさんが復興のための資金を寄付していたり、現地へ足を運んでいるようですが、私はこの状況下において、これをとても良い取り組みだと考えています。

とくに子供たちには元気を与えられているのではないでしょうか。
芸能人の方のブログなどを拝見すると、「自分は芸能人だからこそ、復興を呼びかけたり、きっと元気を与えることが出来る」といった内容を見かけます。

本当にその通りだと私は思っています。

私にはそのような大きな力はないかもしれませんが、自分にも出来ることをもっともっと探してみます。

授業プリントに記載されていたURLから飛ばせていただきました。

地震から100日以上経った今の現状で感じるのは、東北以外の実情を知らせる報道が、無くなってしまったという点です。

私の地元は栃木県なのですが、栃木県の一部の地域、或いは被害の大きかった茨城県などの復興の流れ、初夏になった現時点での実情を知らせるメディア報道が全く無いため、いったい今どのようになったいるのかが全く不明です。

政治の点でも言えることですが、原発問題の中心の福島県の存在、地震で最大の被害が出た東北諸県が話題になるのは仕方ないかもしれないです。

しかし、メディアも政治も、話題性の乏しい被災した地域も見捨てないでもらいたいです。

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